鼻がにおう、黄色い鼻が出る、鼻がつまる、頭痛、頬が痛い、眼の周りが痛い、痰からみの咳、後鼻漏(鼻がのどに流れる)などの症状がある場合には、副鼻腔炎を疑う必要があります。副鼻腔炎とは、副鼻腔と言う鼻の洞穴に膿が溜まる病気で、ちくのう(蓄膿)症とも呼ばれております。風邪をこじらせてしまって症状がなかなか治まらずに受診してみると、副鼻腔炎を合併しているケースも見受けられます。
顔面神経麻痺とは、神経の炎症によって顔の片側の筋肉に起こる突然の筋力低下や麻痺の状態です。目を閉じにくい、水を飲むと口から漏れるなどの症状があります。今のところ原因は特定されていませんが、単純疱疹(ヘルペス)が関係していると考えられています。内服で治療を行いますが、麻痺が強い場合は入院での治療をおすすめしています。
Ramsay Hunt症候群(以下、ハント症候群)は、ヘルペスウイルスによって顔面神経麻痺や、その他の症状を呈する疾患です。こどもの頃にかかった、水痘(みずぼうそう)のウイルスが顔面神経に潜伏し、それが再活性化することで神経に炎症が生じ、顔半分の表情筋運動障害(顔面神経麻痺)を発症します。加えて周囲の脳神経にも波及し、耳の発赤・水疱形成や耳痛、難聴、めまいなどを合併します。 こちらはベル麻痺と違って、基幹病院での入院加療となります。
顎の下、両側に顎下腺と言う唾液を分泌する組織があります。そこに細菌・ウイルスの感染や自己免疫疾患などによって炎症が起こり、腫れと痛みを生じた状態です。唾石と言って、唾液を運ぶ導管に石が詰まっている場合もあります。
顔面・首にはもともと大小様々なリンパ節が存在しますが、何らかの原因により炎症を起こしている状態です。のど風邪などの感染症からの波及や、免疫異常によるもの、原因不明のものなど様々です。内服加療に反応しない場合や、数が多い(多発性)場合、大きさが10mmを越える場合、その他悪性を疑う場合には、基幹病院でのエコー(超音波)検査などを提案しております。
1~6歳頃に発症し、年に数回両側または片側の耳下腺が腫脹します。初めて腫れたときはおたふくかぜとの区別は困難で、繰り返し腫脹することで初めて診断されます。おたふくかぜと異なり、発熱の症状は軽く、体温は37度台のことがほとんどです。また、激しい痛みを伴うこともまれなケースです。学校や保育所への通学に関連しておたふくかぜとの鑑別が必要になれば、血液検査などが実施されます。通常は成長とともに回数が減少し、思春期までには症状が見られなくなります。必要に応じて炎症止め、痛み止めなどで治療します。
甲状腺疾患は日本人女性の約2割が罹患すると言われるほど多い疾患です。バセドウ病に代表される機能亢進症、橋本病に代表される機能低下症、甲状腺がんなどの腫瘍性疾患があります。クリニックでできる事は限られておりますので(甲状腺ホルモンや自己免疫疾患のマーカーの採血等)、甲状腺疾患を疑った場合には、エコー検査のできる基幹病院受診を提案しております。